専門家からパパ&ママへ
  • 斎藤 裕 先生
  • 新潟県立大学
  • 人間生活部 子ども学科教授

斎藤 裕 先生からのメッセージ

自分と子どもの個性にあった子育てを

私たちは、ファストフードのハンバーガーを作るように、「人」を育てているのではありません。「人」は性格も身長も、体重もみんな違っていて、同じ材料を用意するようなファストフードのハンバーガーとは、全く違います。「子育てマニュアルが同じなら、同じ子育てができる」なんて、ことはありえません。教師や保育士が教えたことを学習者がそのまま学んでいるはずだという仮定は、成り立ちません。教育場面でいえば、教師は、設定した教育目標を、学習者の個性を考慮しながら達成させなければなりません。教授方略(教材配列)と学習者の個性など、条件の組み合わせによる効果の違いを交互作用と言います。それは、教育場面で考慮しなければならない重要な問題など考えられています。

pht_20151023 スノウ(Snow,W,R.E.)という心理学者は、大学生を対象にして、物理学の授業を展開する際、教師が学生達の目の前で、直接説明しながら、実験をやって見せる教授法と、そうではなく、事前に撮影しておいたVTRを使い、その映像を流すことによって実験を教える教授法の2つの教授法を用意し、その後テストをして、この2つの教授方法を比較・検討しました。その結果、対人的積極性の高い人に対しては教師実験による教授法が効果的だったのに対し、積極性が低い人はVTRを使った映像による教授法が効果的でした。

私達は、「子ども」という人間を相手にして、「子育て」を行なっています。子どもであっても、大人と同じように様々パーソナリティーを持っています。子ども一人一人は同じではありません。「同じやり方で、どんな子にも有効な子育て」なんて、ないのです。自分とそして、自分の子どもにあう子育てを考えていけばいいのです。子育ては「こうしなさい」というような決まりはありません。本に書いてあることができなければ、いい子育てではないなんて誰も言えないのです。

スワヒリ語に「ポレポレ」という言葉があります。「のんびり、ゆっくり」という意味だそうです。これからも、不安や心配の種は尽きないでしょう。でも、そういうものだと思って、「ポレポレ」いきませんか。